週プロ(週間プログラム学習)

 この業界で週プロと呼ばれる自由進度学習に関する実践発表会だった。愛知県東浦町は、知多半島の付け根、半田市の北に位置するが、知る人ぞ知る小学校教育における進歩主義教育の先進地域だ。オープン・スクール(個別化・個性化教育を、オープンスペースを軸とする学校建築で展開する学校)として全国的に名を馳せた緒川小学校や卯の里小学校だけでなく、そこでの教育に携わった教員が転任した片葩小学校や、石浜西小学校でも、こうした進歩的なカリキュラム・教育方法が試みられており、今回の研修会は、これら4校全ての取組を紹介し、その意義や課題に関して再考するものだった。

 いやあ、圧巻。むろん各校ともいろいろな課題があるのは当然。しかし、一斉指導とは異なるドラスティックな方法論として、これだけ「単元内自由進度学習」という個別化教育の方法が、一つの地域の複数の学校で同時に、しかも、それぞれの個性を持って展開されている例は、おそらく日本にも類例がないのではないか。特に、後発後進国のはずの(失礼!)の石浜西小学校の充実ぶりたるや、特筆に値する。

 ここで書きたいのは、なぜ週プロなのか、ということなのだが、公開日記である以上、おそらくその前に必要なのは、週プロって何?ということだろう。これを言葉で説明するのはかなり難しいし、ちゃんと説明するとなれば紙幅を要するが、公開とはいえ、現時点で読者ゼロだから、とりあえずそこそこのレベルで書いておこう。

 週プロは、その源流を歴史的には、1920年代前後の合衆国におけるドルトン・プランやウィネトカ・プランに遡ることがおそらくできるのだろうが、定義的な名称としては「二教科同時進行単元内自由進度学習」と呼ばれている。緒川では、これを週間プログラム学習、略して週プロ、卯の里では個別、石浜西では○○学習という「俗称」で呼ばれている。むろん、各校で試みられているそれらの実践は、それぞれに無視できない違いもあるが、ここでは触れない。