Mission Hill School(Boston)への閉校命令について

個人的に、このGWはDWとかBWとか呼ぶしかないものになってしまった。GoldenではなくGloomyなら、頭文字はそのままでいいのかもしれないが。 パンデミック前におよそ10年間、毎年2回、1週間ずつボストンに滞在して訪問してきた幼小中一貫校の公立学校Mission…

仕事で書いた小文⑥:図書紹介を兼ねた卒業生(教職課程履修者)向け挨拶文 [2021年度]

以前も同様の小文をアップしたことがある。昨年度はアップするのを忘れていた模様。本務校の教職・学芸員課程センターでは毎年度末ニューズレターを発行していて、その部署の責任者として、冒頭に挨拶文を書かなければならないのだが、最近は、図書紹介も兼…

最近の教育評価・学習評価論におけるassessの語源に関する誤解について

学校教育における学習評価論の転換を図る文脈で、近年よく取り上げられるのが、assessmentの元の動詞assessの語源です。いわく、assess の語源は「そばに座る(sit by/beside) 」の意なのだから「学習者に寄り添う」という意味こそ教育評価・学習評価の本義で…

「個別最適化された/個別最適な学び」という用語の意味理解と実践化をめぐる諸課題(その1)

この記事は、おそらく次期学習指導要領に組み込まれることになると予測される「個別最適」という用語に関する研究メモである。そこには、思わぬ誤解や誤記等が含まれているかもしれないので、ご注意願いたい。そうした誤りを発見された場合には、ぜひご批正…

9月入学問題に関する資料集

先日、ひょんなことから、たまたまラジオに電話出演して、9月入学問題について「慎重派」として話さなければならなくなった。本番は事前に打ち合わせた台本がほとんど使われなかったので、全く不慣れな自分は焦っているうちに終わってしまったが、出演準備…

仕事で書いた小文⑤:図書紹介を兼ねた卒業生(教職履修者)向け挨拶文

本務校の教職課程・学芸員課程を担当する部署(課程センター)では、毎年度末ニューズレターを発行している。その部署の責任者として、冒頭に挨拶文を書かなければならないのだが、最近は、図書紹介も兼ねている。慌ててまとめた駄文ではあるが、紹介した図…

新学習指導要領の「見方・考え方」に関して

先日参加したさる研究会で、いわゆる「見方・考え方」について、中教審のど真ん中にいると言っていい研究者に批判的な質問した。"見方・考え方=「(ブルーナーの言った)ディシプリンの構造」"という図式で言われているのなら理解できないこともないが、「…

新学習指導要領の可能性と問題点

目次 1 改訂のポイント A 主要ポイント (1) 社会に開かれた教育課程とは? (2) 資質・能力を中心とする教育課程とは? (3)「主体的・対話的で深い学び」(いわゆるアクティブ・ラーニング)とは? (4) カリキュラム・マネジメントとは? B 上記以外に注目す…

教育という社会的領域の自律性は?

もし政府が望ましい内容の答弁を出したのなら、こういう閣議決定で教育課程行政の一部が決まっていくということに問題はないのだろうか。そうなると、少なくとも、教育という社会的領域の自律性が少なくとも部分的には損なわれることになるように思う。 自分…

閣議決定=政府答弁という「形式」による教育への介入

学校教育における教育勅語の取り扱いに関する最近の政府答弁に対して、教育研究者が有志や学会として、批判する声明を発表しているのはとても有意義なことだと思う。 いや、どこの国でも「諦めたら、そこで近代が終わるよ!」(たしか岸政彦のツイート)って…

朝礼における教育勅語朗読の是非をめぐる国会質疑・答弁

2017 04 07 衆議院内閣委員会 https://www.youtube.com/watch?v=xJMVkf28X2A より一部文字起こし。泉 健太(民進)議員による質疑とそれに対する答弁は、1:40:25から2:16:25まで。答弁の問題点や質疑の課題がどこにあるのかがよくわかる。明らかな誤記などあ…

マイケル・W・アップルへのインタビュー(1999年)

以下は、もう15年以上も前になるが、アメリカ合衆国の教育学者マイケル・W・アップルがカリキュラム学会の招待で来日した折に、彼に対して行われたインタビューの記事だ。雑誌『解放教育』に掲載された。 情報としてはかなり古いけれども、web上では読めない…

労働法教育見学こぼれ話

久々の更新、めっちゃ軽め。 今週月曜日、神奈川県のとある公立高校を訪問して、労働法教育の授業を見学した。この道で有名なNPO団体POSSE(「労働相談を中心に、若者の「働くこと」に関する様々な問題に取り組むNPO」)がいろいろな高校で、出張授業とし…

教科における自立型学習に関する授業研究:単元内自由進度学習とその意義 

(『個性化教育研究』5号、2013年10月、2-14頁) 0 はじめに 本稿の目的は、各教科における子どもの自立型学習(一人学び)としての単元内自由進度学習について、その授業研究の進め方および意義を明らかにすることである。いわゆる一斉指導方式や協同的学…

新しい学びの潮流シリーズ 2『子どもを学びの主体として育てる』(ぎょうせい)第2章「いまなぜ民主的な主体の育ちなのか」訂正

シリーズ学びの潮流2 子どもを学びの主体として育てる (シリーズ新しい学びの潮流)作者: 守屋淳,上地完治,澤田稔,奈須正裕出版社/メーカー: ぎょうせい発売日: 2014/08/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る p.62 10行目 × …

ソーシャル・マジョリティ研究会セミナー2014

久々の更新。TwitterやFacebookを通して、自分ほど得しているやつはなかなかいないだろうと思えるほど交友関係が広がって、しかも、自分にとってすごく大事な友人(と相手に思ってもらえているかどうかはともかくとして)と繋がることができたことには非常に…

水戸室内管弦楽団演奏会@ミューザ川崎

今日は、まさに日記的エントリ。原稿の進捗が芳しくなくて、行きたい!って気持ちでもなかったのだけど、まさか、こんな時期まで呻吟しているとは予測していなかったので、チケットをとっておいた手前、もったいないしと思い、本日は初のミューザ川崎へ。 室…

自分の論文の読書会が行われていた模様

久々更新。 以前、頼まれて『日本の科学者』という雑誌に「科学教育のカリキュラム・ポリティクスー対立と価値判断の原子力・エネルギー教育へ」という短い論文を書いたんだけど、業績一覧更新で情報コピペするのにネット探ったら、自分の論文の読書会情報と…

教育さんが聴いたオバマ大統領2014年一般教書演説

やっぱり、この人、スピーチうまい、。先生になったら、きっといい先生になっただろうなと思う。話が巧いだけじゃなくて、そこで取り上げている個々の話題に関連する人を、その場に招待していて、その固有名詞を丁寧にあげながら語るってところがね。それに…

『デモクラティック・スクール:力のある学校教育とは何か』(上智大学出版、2013年)

p.55 欄外 訳注(10) 1行目 (誤)原語表記は、mastery teachers。 (正)原語表記は、master teachers。 p.66 本文1行目 (誤)若いプエル・トリコ系の (正)若いプエルト・リコ系の p.105 本文第2段落の4行目 「様々な所得層の世帯」に以下の訳注を付…

『デモクラティック・スクール』第2版の誤植等について

絶賛(?)発売中のマイケル・アップル、ジェームズ・ビーン(編著)拙訳『デモクラティック・スクール:力のある学校教育とは何か』(上智大学出版、2013年)ですが、いくつかミスが残っておりましたので、ここに、お詫びかたがた訂正をさせて頂きます。

『デモクラティック・スクール』いよいよ刊行!

何分の1かは手前味噌になってしまいますが、本当にいい本だと思います。多くの方に読んでいただきたいと思っています。 300頁。2100円(税込)。 よろしくお願いいたします。 『デモクラティック・スクール』リーフレット.pdf デモクラティック・スクール …

『デモクラティック・スクール』第2版出版間近!

今日は宣伝です。よろしくお願いいたします。 なかなかのプレッシャーを感じておりまする。『デモクラティック・スクール』簡易リーフ.pdf

板橋区立大谷口小学校での授業研究

「マイマイ学習」と大谷口小学校の授業研究 小文は、大谷口小学校のウェブサイトに頻出する「マイマイ学習」がどんな形態の学習のことなのか、また、この学校でいまどんな授業研究が行われているのかという点に関して、簡略な解説を施したものです。目次 0. …

学習指導要領と国旗・国歌

togetterで、@ekesete1 さんの「【君が代】維新の会府議・奥野康俊氏のツイートと、私の一方的返事」をお気に入りにしました(以下、そのリンク)。 togetter.com/li/281180 それで、せっかくなので、学習指導要領の中で「国歌」のことが、どこでどのように…

教育さんのアクティヴィストとしてのお仕事

晒すかどうかチビ迷ったが、試験問題作成や研究会レジュメ作成の合間に急いで書いたので、どっかなあ?ダイジョウビかなあ?と心配していたところ、送り先からよかったとの反応を得たので、ちょっと気を良くして公開f^^;;)。まあ、このブログは訪問者も少な…

セントラル・パーク・イースト中等学校:困難なのは、やって見せることだ

デボラ・マイヤーポール・シュワルツ(訳 澤田稔) 編者序文 中等教育の多くの教員は、官僚による過剰規制がもたらした萎縮効果に直面しながら、より進歩主義的・民主主義的で、学習者中心の学校をつくる可能性を探ろうとしてきた。いまでも、こうした試みと…

(マイケル・アップル ジェームズ・ビーン編著『デモクラティック・スクール』第2版)

からの抜粋翻訳。 Deborah Meier氏来日講演会に合わせて(といっても、これが初来日でもないが※)アップロードしておくことにする。これは、同氏が、ニューヨークのイーストハーレムに開いた中等学校(中高校)に関するスクール・ストーリー=実践記録だ。困…

M.W. Apple & J. A. Beane, (Eds.). Democratic Schools (2nd ed.). Portsmouth, NH: Heinemann, 2007.

『デモクラティック・スクール』第2版から その2

前回のエントリ同様に、